これを書いている現在は師走です。 今年も残り僅かになりました。 西日本のお正月を語るうえでブリ、ハマチは欠かせない魚です。 年末に魚屋さんに行くと、ハマチ(長崎では養殖物のブリをこう呼ぶ)が山のように並べられています。 その中から良さそうなハマチを選んで買うというのもナカナカ楽しいものです。
でも、ハマチを買ったはイイけれど、三枚おろしは魚屋さんにやってもらおう。 という人が多いと思いますが、 せっかく高いお金だして買ったのですからここはいっちょう、自分でおろしてみよう! というワケです。 ブリを堪能しませう。
※ ブリの頭をおとして三枚おろしにするまでの作業はとてもじゃないけど屋内ではできません。 ということで青空の下で作業しております。
魚というものは、骨付きで保存したほうが日持ちがします。 なのでブリをお正月三が日かけてゆっくり食べるという場合は、 片身だけおろしてもう半分は骨付きのまま冷蔵庫で保存しておくという手法もあります。 さらに養殖モノよりも天然物のほうが日持ちがします。 天然モノは何日か寝かせたほうが断然美味くなるという特典もあります。 逆に養殖物のハマチは日がたつにつれて味が悪くなってくるので早めに食べきりましょう。
たまに、「天然物のブリは好かん」という人がおります。 理由は一つ。 それはムシ(寄生虫)が身に入っている場合があるからです。
でもそんなデリケートなコトを言ってると、美味しいものは食べることができません。 万が一ムシが入っていたならば、取り出せばイイだけの話です。
無農薬野菜と同じで、「ムシが食うほど美味しくて安全」ということです。
一方、養殖ハマチにはムシはまずおりません。 が、である。 何故ムシがいないかというと、それは抗生物質を沢山注射して飼育しているからであります。 だからムシはいないし、おろしたての身は妙にぷりぷり。 でも、その副作用として、身の硬直が早い(コワる)。 日がたつほどに美味しくなくなるということに なります。 危険というものは実は、目に見えないところから忍び寄ってくるものなのです。
さて、三枚におろしたブリの身の腹骨を取っていきます。 小さい魚の場合、腹骨をいっぺんに包丁ですき取るワケですが、
体の大きい魚の場合は一本ずつ取っていきます。
丸印から包丁を入れて、矢印のように包丁を進めます。 意外と簡単にできると思いますが、怪我には充分注意してください。
取れた腹骨は捨ててはなりませぬ。 ブリのアラ煮に入れてもイイし、塩胡椒しておいて、サッと炙ってビールのつまみにしても美味いです。
※ 残った血合いは、ブリのアラ煮に放り込みます。 キライな人も多いけど、身と比べても栄養がたっぷりあるのだそうです。 ぜひ育ち盛りのお子さんに食べてもらいたいものです。
背側と腹側に身を断つことができました。 あとは皮をすいて、刺身にすればそれでよいのですが、ここでひとつ注意点があります。 あらかじめ
3枚おろしを始める前に、ブリの表面にある無数の小さいウロコを剥ぎ取っておかなければなりません。 そうしないと、刺身にウロコが付着してしまい、
大変不快な思いを強いられることになります。 金タワシでゴシゴシとブリをこすり、しっかりと水で洗い流しておきます。
※ イシダイのように、ウロコをすくというテもあります。(上級者向き)
腹側も同様に炙ってみました。
皮すきとは、このように包丁を寝かせて行います。(普通、このように短冊の状態では行ないません。)
個人的には腹側の身は、1週間以上冷蔵庫で寝かせたあとで食うのが好きです。 養殖ハマチの場合は、できれば購入した次の日までには食べきりたいという感じです。
天然ブリ背側の刺身。 皮つきのまま炙ったので香ばしさアップ。
天然ブリ腹側の身。 見よこの霜降り具合。 脂も上品。
うん。 買ってよかった。 言葉はイランね。
シャリにはゆずの皮をまぜ込んでみました。
皮すくとき慎重になりすぎて、皮に身が残ってしまった・・・。 こんな経験ありませんか? でも大丈夫。 その皮を刃を立て気味にもう一度すく。 すると皮にこびりついていた身がとれます。 もったいないですからね。
※ 個人的には、皮をすく際、あまり切れない包丁、いわゆる「ナマクラ包丁」のほうがカンタンなような気がします。 ちなみにこの 「2段ひき」の方法は、オイの行きつけの割烹やさん伝授。 教わる以前は、こうなってしまったら「もういいや」と、諦めてしまっていました。
身がうっすら残ってしまった皮に、さっきよりも若干立て気味に包丁をあて、皮をすきと同じように動作します。 手を切らないよう注意してください。
ほらこんなに身がとれた。 すでに薄切り状態になってもいますし。 魚は身と皮の境目付近の身がいちばん美味しいとも言いますしね。
ちょっとアレだけどガマンして、大体右のように切り分けます。
コレは胃を開いたところです。 見た目や食感は、「牛ホルモン」にそっくりです。 中に小魚等、内容物が入っている場合は
取り除いてキレイに水洗いをします。
胃、肝臓、心臓は血、ヌメリをよく洗って、お湯にショウガ、塩少々、醤油一滴を入れてサッと茹で上げます。
好みの大きさに切って、七味、小ねぎ等お気に入りの薬味を乗せ、ポン酢で食べます。 ショウガのおかげで臭みも気になりません。
ブリモツポン酢。 酒飲みにはこの上ない肴。
まずはヒレの後ろに包丁をつき立て、矢印の方向に包丁を進める。 よく切れる包丁を使用し、くれぐれも怪我にはご注意を。
右図の赤線まで切り進み、包丁を方向転換させます。
矢印の方向へ包丁を進め、腹ビレを切り落とす。
※ このカマの部分は塩胡椒をしてオーブンで焼いて、レモンを絞ると格別です。
次は、始め包丁を付き立てた付近から包丁の刃の中ほどを使って押し進めます。
包丁がブリの中骨にあたったらストップ。 ここでスナップを利かせて骨を断ちたいところだけど、切れないならばムリはしないでください。
※ この付近に骨の継ぎ目があるらしく、力を入れることなくスッと包丁の入るポイントがある。(魚屋談)
ブリをぐるりと方向転換させて、反対側も同じように作業をします。 下の矢印は先ほどまでの作業のあと。
左右両面で同じ作業が完了したら、ブリの頭を持ってブリがおじぎをする方向に手で折ります。 すると「パキッ」と頭は取れるはずです。
(慣れてくると、包丁でザクッと落切り落とすことも可能です。) これにてブリの頭落としの完了。
まず上で落とした頭を図のように立てて、包丁をあてます。 包丁を持つ反対側の手で、「カマ」を持ちながら作業するとよいです。
まるでマキ割りでもしているかのように、包丁を数回、振り下ろします。 すると少しづつ頭が割れてきて、しまいには真っ二つになります。
※よくねらいを定めてから振り落とさないと、手にでも当たったら大変なコトになりますので、細心の注意を払いながら作業をしてください。 よそ見は厳禁です。
ブリの頭が真っ二つになったら次はカマをはずします。 作業しやすいようにカマを広げて、叩き切ります。
ブリカマが取れたら今度は口あたりから真っ二つにします。 けっこう固いので慎重に叩き割ります。
反対側にひっくり返してさらに図のように割ります。 一番美味しい「目周辺」があるので、傷つけないように丁寧な仕事を心がけるコトをモットーとします。
これはちょうど頬の部分で通称ビンタ。 身がないからといって捨ててしまったりしがちですが、ここは口の可動部でありまして、ゼラチン質が
たっぷりと多くて美味い部分です。 これをさらに半分に割ってもよいかもしれません。
以上鰤の頭わりでした。 大体右図のように分割したワケです。
干した頭を、オーブンか、魚焼きグリルで焼きます。 中まで火が通るように焼きます。 焼けたらレモンを振りかけて、手でむしりながらポン酢で食べます。
「アッ、こんなところにも身があるんだね。」なんていうチョットした発見も楽しいです。
カマの部分を食う。 ブリ大根もイイけどたまにはよいです。
塩を振っておいた鰤のアラに、熱湯をかけます。 そして流水できれいに洗い、血や塩をとりのぞきます。
※ さらにこのアラを直火で炙ってもよいです。
あらかじめ昆布を浸しておいた水を鍋に張り、沸騰させます。 昆布を取り出し、鰤のアラを投入。 20分ぐらい煮て、鰤エキスを抽出させます。
そして味噌を溶かしこむと美味しい味噌汁のできあがり。 味噌は何種類か混ぜて使うとよいです。 さらに酒や酒かすを入れておいても美味。
ブリの味噌汁完成。 今回は赤だしベースです。
照り焼きタレ:ブリの骨(あら)を適当な大きさにカットして、湯の中に10秒ぐらい漬けます。 すぐに取り出して、残っている血を冷水の中で丁寧に取り除きましょう。
きれいになったブリの骨の両面を、ほとんど火が通るまで焼きます。
ブリの骨を焼いている間に、タレを調合しておきます。 鍋に醤油、砂糖、みりん、酒を入れて、火にかけます。
焼けたブリの骨を加え、20分ぐらい煮詰めて火を止めます。
ブリの身をグリルで焼きます。 まずはじめに、タレはつけずに9割方ブリの身を焼きます。 火力は中火程度で、皮面から焼きます。
そして、ほとんど火が通った頃、鰤の身に先ほど作っておいたタレをかけながら、弱火で焼いていきます。 3〜4回この作業を
繰り返すと、鰤の照り焼きのできあがり。
ご飯が何杯でも欲しくなります。 冷めても美味しいのでお弁当のおかずにもよいです。
それから大鍋の中に多めに水をいれて、綺麗になったアラを投入し、点火。 沸騰するまでは強火にかけて、その後火を弱めてからグツグツ煮ます。 強火のまま煮てしまうと、 どうしても煮汁が濁ってきたり、臭味がでてしまうので要注意。 アクをその都度すくい。 煮汁が半分になるまで煮ます。
大根は適当な厚みに切った後、面取りをしておきます。 面取りは煮崩れ防止にも役立ちますし、実は大根の皮をむかずに、面取りだけをして煮込んでも美味しくできあがります。
ブリの煮汁を適当な分量鍋に注ぎ、大根を入れて、弱火で芯がなくなるまで煮ます。
大根が煮えた頃、醤油、酒、みりん、ザラメで味付けをして、強火で煮詰めていきます。
煮汁が少なくなってきたら、大根に煮汁をからめるように鍋をゆすりながらさらに煮詰めていきます。 十分煮詰めたら、器に盛ります。
※この際、大根はあらかじめ取り出しておいて、煮汁のみを煮詰めて、それを大根に絡めるというテもあります。
大根を箸で割り、ほうばると、甘辛いなかにも大根の風味を感じます。 別鍋に残るアラは、そのまま煮詰めて大根と同じ味付けでいただきます。(ショウガを加えてもよい)
ブリは出世魚としても知られておるね。 15cm以下をモジャコ、ワカシとかフクラギ。 40cmぐらいをイナダ、メジロ。 60cm前後をワラサ。
また別に15cm〜50cmまでをハマチ。 それ以上をブリと呼ぶなんてのもあるね。 ブリによく似たカンパチがブリ類で一番美味いという説もあるね。
ちなみに煮付けを作る際には、煮汁が十分温まってから、魚を入れたほうが、美味しく仕上がるよ。 煮汁には醤油や塩の成分が入っているので、 あらかじめ魚を煮汁に入れた状態で、点火すると、塩の浸透圧の作用により、魚から水気が抜けていくわけ。 その水気には、ウマミ成分も入っているので、 美味しさが抜けていくのと同じ意味合いになるね。
これを防止するためにも、まずは煮汁を作って火を入れて煮立たせ、そこに魚を投入する。 そうすると、一瞬で魚の表面に火が入り、表面のたんぱく質が固まる。 これでウマミが逃げ出すのを防ぐわけばい。
ちなみに煮付けを作る際は強火にて短時間で仕上げるというのがポイント。 弱火で長く煮ると、身が固くなって、生臭みも残るわけです。 さらに消化後仕上げとして醤油をひとたらしすると、美味しさアップ。
ブリ、カンパチ同様アジ科ブリ属の魚。 ブリと比べ暖海性の魚で、日本の東北以南から黄海にかけて分布。 西日本に多い。 各地域で呼び名があり、ヒラス(関西、四国、九州)、ヒラソ(山陰)、ヒラサ(瀬戸内)などがある。
ヒラスのおろし方を動画にしてみました。 ブリも同じなので、今度試してみてください↓
05/11/20