燻製に目覚めて早5年、そろそろ燻製についてまとめてみようと思います。 なんかとっつきにくそうなイメージのあるクンセイですが、いざ作業してみるとカンタンです。
そもそも燻製とは一体何なのでしょうか? 答えは、
魚、肉などを塩漬けにして、木材の煙でいぶした食べ物です。
いぶすことにより保存性が増しますが、近年ではもっぱら風味付けのためにいぶされます。
「くんせい」は、大きく3つの手法に分けられます。
3つの燻製法は、燻製器内の温度と燻(いぶ)す時間によって分けられまして、作るものによって決まります。
15〜30℃で1〜3週間程燻す方法です。 スモークサーモン等がこの方法で作られます。 素材はほぼ生の状態に仕上がります。 気温が低くなければ作れませんから寒いシーズンに限られます。
50〜80℃で2〜12時間程燻す方法です。 ベーコン等がこの方法で作られます。 燻製の基本中の基本といえるのがこの温燻です。
120〜140℃で30分〜4時間程燻す方法です。 スモークチキン等がこの方法で作られます。 高温で燻すため、オーブンで焼いたような風味になります。
※各手法における温度や時間は目安です。 人により前後します。
燻製作りには一定の流れがあります。 特別なものを除いては、おおよそ次のような作業工程になります。
燻製を作るには素材に煙をかけなければなりません。 その煙の発生源が、燻煙材です。
粉末にした木材を固めて棒状にしたものです。 火をつけると熱源なしで、まるで線香のように煙をだします。 モノにもよりますが、5時間ぐらいは持つはずです。
半分に折ったり、2つつなげたりすることで煙の量や燻す時間を楽に調整できます。
熱源がいらないことから冷燻にはちょうどよいです。
木材を細かなチップにしたものです。 熱源にのせてチップを焦がしながら煙を発生させます。
※チップにザラメを混ぜてから燻すと艶やかな仕上がりになります。 ウッドを熱源にしてチップを上にかぶせて燻す、という方法もあります。
ウッド、チップ、どちらも木の種類により色んなものが市販されています。
等々です。 混ぜて使うこともあります。
燻製を作るためには煙を効率よくかけるための燻製器が必要ですが、 別に「箱」であれば問題なしです。 ダンボールでも、ドラム缶でも、中華鍋でも、いともカンタンに燻製器は自作できます。
ウチのスモーカーはホームセンターから買ってきた材木で作りました。 取っ手は海から拾ってきた流木です。
この燻製器がどうして横長なのかというと、それは中に据えた金網のサイズに合わせたからです。 金網を加工するのは困難ですが、木を加工するのはカンタンです。 だから金網の寸法に木の寸法をあわせて作った結果、横長になったのです。 金網の高さは三段階に調節できるように作りました。
もう少し高さがあってもよかったかなあ、と思いますが、別に鮭丸ごと一匹をスモークする予定もありませんし、現状十分なサイズです。
金網の下に熱源を置き、金網の上、もしくはフックで素材を吊るして燻製します。
熱源は当初、卓上コンロを使用しておりましたが、燻製器のドアをぴったり閉めると火が消えてしまうことと、温度が高くなりすぎる感がありましたので、電気コンロに変えました。
燻製器の右端上部には、ユニフレームのスモーカー温度計を差し込んでいます。
さて燻製の準備は整いましたのでレシピの紹介にいきたいと思いますががその前に、ピックル液の作り方を覚えておきましょう。
ピックル液というからムズカシく感じるだけで、要は燻製の調味液です。
鍋に塩水を入れて、そこへブーケガルニ(月桂樹、クローブ、セージ、パセリの茎等を束ねたもの)を放り込み、粒の黒胡椒を適当に加え、5分ぐらい煮立てて冷ませばできあがりです。
ブーケガルニはビーフシチューでお馴染みですし、ピックル液は牛タンの塩漬の際のソミュール液と同じようなものです。
塩の濃度は作りたい燻製や、好みによっても違ってくるとは思いますが、ウチでは専ら海水程度の塩分濃度、すなわち3.5パーセントです。
それでは早速、燻製作りのスタートです!
燻製レシピは随時追加していく予定です。 燻製にしてみたい食材の投票も実施しております。
10/06/23