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燻製の作り方
燻製の作り方

燻製の作り方

燻製に目覚めて早5年、そろそろ燻製についてまとめてみようと思います。  なんかとっつきにくそうなイメージのあるクンセイですが、いざ作業してみるとカンタンです。

燻製とは

燻製とは

そもそも燻製とは一体何なのでしょうか? 答えは、

魚、肉などを塩漬けにして、木材の煙でいぶした食べ物です。

いぶすことにより保存性が増しますが、近年ではもっぱら風味付けのためにいぶされます。


燻製の種類

燻製の種類

「くんせい」は、大きく3つの手法に分けられます。

  1. 冷燻(れいくん)
  2. 温燻(おんくん)
  3. 熱燻(ねっくん)

3つの燻製法は、燻製器内の温度と燻(いぶ)す時間によって分けられまして、作るものによって決まります。


冷燻

冷燻

15〜30℃で1〜3週間程燻す方法です。 スモークサーモン等がこの方法で作られます。 素材はほぼ生の状態に仕上がります。 気温が低くなければ作れませんから寒いシーズンに限られます。


温燻

温燻

50〜80℃で2〜12時間程燻す方法です。 ベーコン等がこの方法で作られます。 燻製の基本中の基本といえるのがこの温燻です。


熱燻

熱燻

120〜140℃で30分〜4時間程燻す方法です。 スモークチキン等がこの方法で作られます。 高温で燻すため、オーブンで焼いたような風味になります。

※各手法における温度や時間は目安です。 人により前後します。


燻製作りの流れ

燻製作りには一定の流れがあります。 特別なものを除いては、おおよそ次のような作業工程になります。

  1. 血抜き(肉についてのみ):素材に塩をすりこんで、一晩ねかせて血を抜きます。
  2. 熟成:素材に塩気、香りをしみこませる作業です。 ピックル液を使います。
  3. 塩抜き:熟成の際にしみこんだ塩気をちょうどよいぐらいに抜きます。 あわせて腐敗菌を流す役割も。
  4. 風乾:素材を風にさらして乾燥させる作業です。 乾燥していないと煙がつきにくくなります。
  5. 燻煙:素材に煙をかける作業です。
  6. 再風乾:煙の酸味を飛ばして落ち着かせます。

燻煙材

燻製を作るには素材に煙をかけなければなりません。 その煙の発生源が、燻煙材です。

スモークウッド

スモークウッド

粉末にした木材を固めて棒状にしたものです。 火をつけると熱源なしで、まるで線香のように煙をだします。 モノにもよりますが、5時間ぐらいは持つはずです。

半分に折ったり、2つつなげたりすることで煙の量や燻す時間を楽に調整できます。

熱源がいらないことから冷燻にはちょうどよいです。

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スモークチップ

スモークチップ

木材を細かなチップにしたものです。 熱源にのせてチップを焦がしながら煙を発生させます。

※チップにザラメを混ぜてから燻すと艶やかな仕上がりになります。 ウッドを熱源にしてチップを上にかぶせて燻す、という方法もあります。


ウッド、チップ、どちらも木の種類により色んなものが市販されています。

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燻煙材の種類

  • サクラ:強い香りでクセのある食材向き。 肉向き。
  • リンゴ:マイルドな風合い。 肉向き。
  • ナラ:色付きが早い。 魚向き。
  • ブナ:若干の渋みがある。 魚向き。
  • クルミ:クセがない。 肉や魚に。
  • ヒッコリー:香りよくクセがない。 肉や魚に。

等々です。 混ぜて使うこともあります。

燻製器(スモーカー)

燻製を作るためには煙を効率よくかけるための燻製器が必要ですが、 別に「箱」であれば問題なしです。 ダンボールでも、ドラム缶でも、中華鍋でも、いともカンタンに燻製器は自作できます。

燻製器

ウチのスモーカーはホームセンターから買ってきた材木で作りました。 取っ手は海から拾ってきた流木です。


燻製器内部

この燻製器がどうして横長なのかというと、それは中に据えた金網のサイズに合わせたからです。 金網を加工するのは困難ですが、木を加工するのはカンタンです。  だから金網の寸法に木の寸法をあわせて作った結果、横長になったのです。 金網の高さは三段階に調節できるように作りました。

もう少し高さがあってもよかったかなあ、と思いますが、別に鮭丸ごと一匹をスモークする予定もありませんし、現状十分なサイズです。

金網の下に熱源を置き、金網の上、もしくはフックで素材を吊るして燻製します。


電気コンロ

熱源は当初、卓上コンロを使用しておりましたが、燻製器のドアをぴったり閉めると火が消えてしまうことと、温度が高くなりすぎる感がありましたので、電気コンロに変えました。


スモーカー温度計

燻製器の右端上部には、ユニフレームのスモーカー温度計を差し込んでいます。

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さて燻製の準備は整いましたのでレシピの紹介にいきたいと思いますががその前に、ピックル液の作り方を覚えておきましょう。

ピックル液の作り方

ピックル液の作り方

ピックル液というからムズカシく感じるだけで、要は燻製の調味液です。

鍋に塩水を入れて、そこへブーケガルニ(月桂樹、クローブ、セージ、パセリの茎等を束ねたもの)を放り込み、粒の黒胡椒を適当に加え、5分ぐらい煮立てて冷ませばできあがりです。

ブーケガルニはビーフシチューでお馴染みですし、ピックル液は牛タンの塩漬の際のソミュール液と同じようなものです。

塩の濃度は作りたい燻製や、好みによっても違ってくるとは思いますが、ウチでは専ら海水程度の塩分濃度、すなわち3.5パーセントです。


それでは早速、燻製作りのスタートです!


燻製レシピ集(10品)


燻製レシピは随時追加していく予定です。 燻製にしてみたい食材の投票も実施しております。


燻製の作り方のツボ

  • 火の元にご注意を。 燻製中は燻製器から絶対に目を離さないでください。
  • 市販の燻製はくん液を用いて作られているものも多い。 くん液を使うと素材が膨らみ、重さも増すので少しの食材から多くの商品を作ることができる。 くん液で作られた燻製は、 ブニブニしている。
  • スモークチップを使うと油くさいからマキでスモークするという人もいる。 マキは油が少ないらしい。
  • 燻煙材がなければ茶のダシガラでも代用できます。
  • 鰹節やいぶりがっこだって燻製です。
  • 燻製は、煙の中に含まれるフェノール系の化合物や、アルデヒド等の殺菌、防腐効果のある成分が素材にしみこむ。 これに塩漬けの殺菌効果も加わる。
  • たて塩法(ソミュール法)で一夜干しのように作る場合や、振り塩(乾塩法)等もある。
  • アフリカの多くの地域では、魚を天日干ししてからほとんど焦げてしまうまでスモークする。 ボンガという。

おさらい

燻製の作り方をまとめておく

10/06/23


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