「大阪の方は一家に一台たこ焼き器を持っている」
と聞いたのは、たしか子供の絵本の中でした。 ここは長崎人だって負けられません。 たまったま電気屋でイイ感じのタコ焼き器を見つけたので、早速購入し、焼いちゃいます。
前々から手を出したいタコ焼きでしたが、イマイチ踏み切れない要因がありました。 それは、「市販のタコヤキ器がショボい」ということでした。 ホットプレートみたいな電熱式で、なんか安っぽくてオモチャのような見た目がイヤだったのです。 そのイメージを根底からくつがえしてくれたのがこのイワタニカセットガスジュニアたこ焼き器です。
それではこのタコ焼き器の特徴を説明します。 まず、一番肝腎なタコ焼きの天板(プレート)は、取り外せます。 メンテナンス性もばっちりです。 そして適度に厚みのあるプレートは、使用していくうちに、焦げ付きにくく、頼りがいのある相棒に成長してくれることでしょう。
エネルギー源はカセットガスです。 このたこ焼き器を購入した際に一本付属しているワケですが、よくあるカセットコンロのそれよりも、短いです。 これを、 クルリとワンタッチで取り付けます。 わずらわしい電気コードなんかは不要なので、その気になりゃ、車に積んで、なんちゃってタコ焼き屋さんに転身することもできます。
火力の調整も思いのまま。 このツマミをまわすだけです。 たこ焼き作りには、この火加減調整が重要でもあるので、どんだけ回すと、どんくらい火が出るのか、 実験をくりかえして、体に覚え込ませましょう。
さて、点火します。 まずは、カセットガスを装着して、火力調整ツマミを、プラスの方向にゆっくりと回します。 「シュー」とガスが吹き出る音がしますが、恐れることなくチャッカマン風ライター等を、点火口にさしこんで、カチッと点火します。
見事(でもないが)点火できました。 ツマミを回して火力を調節します。 面白がって、火力を最大限にしたりして遊んではいけません。 火事のもとなので注意しましょう。 使用中は、たこ焼き器を設置した床面が熱くなるので、耐熱性の低そうな場面での使用は避けましょう。
せっかくたこ焼きを作るのならば、小道具にもこだわりたいところ。 くぼんだ天板に油を効率よく塗り込むには、このような油引きが便利であります。 毛足の調節ができます。 ホームセンターにて300円程度でした。
これがなかったら、一体どうやってたこ焼きをクルリと返すことができるのでしょうか。 必須アイテムであります。 1本でもなんとかなりますが、 2本を巧みに操ったほうが、雰囲気もでますし、きれいにも作ることができます。 1本100円。
さあいよいよたこ焼き作りに取り掛かります。 まずはたこ焼き器に点火し、充分に天板を熱しておきます。 焦げ付きを防ぐわけです。 そして、油を1穴づつ丁寧に塗り込んでいきましょう。
小麦粉に、卵、水を入れて、溶かします。 お好み焼きの要領ですね。 こだわるのならば、山芋や、ベーキングパウダーを少し入れたり、 水をだし汁に変更したり、塩少々を加えます。
と書きましたけど、シンプルに作るならば、小麦粉50グラムに水90グラムを注いで混ぜると簡単にタネは作れます。 さらにここへ細かく刻んだキャベツを50グラムばかし入れておけば、より美味しいタコ焼きになるでしょう。 この分量で、およろ15個のタコ焼きが作れます。
もちろんタコを入れますが、せっかくですもの大きめのブツ切りにしたほうが、旨いです。 はじめにタコを穴に入れておいてから、タネを流し込むと、 タネを入れる分量が計れます。 穴の深さパンパンにタネを流し入たほうが上手く作れると思います。 タコ以外の具はお好みで加えます。
慣れないうちは、ごく弱火で作ると失敗しません。 タネが穴からあふれてしまっても、あわてずチョンチョン穴に押し込んで修正できます。
じっと眺めていると、そのうちタネの周囲の色がうっすら白んできますので、そうなったら穴のヘリにそって「返し」をグルリと一周入れ、コロンとひっくり返します。
本番前に、具無しのタネで何度か練習すると、コツがつかめるハズです。
少々形が崩れていても、コロコロ返しているうちに、丸くなっていくのでご心配なく。 クルクル返しながらキツネ色に焼き上げます。 オイは事前によく行くタコ焼き屋で、この作業を凝視して、技とタイミングを盗んできました。
まんべんなくカリッカリに焼けば、並のタコ焼きには戻れないぐらい美味しくなりますよ!
焼けたタコ焼きは皿に並べ、オタフクソース等を塗ります。 そして青海苔や、 粉ガツオ、紅ショウガや天カス、マヨネーズをトッピングして、やっぱり箸でなく爪楊枝でつつきたい所です。
※テンカスの作り方はこちらをどうぞ→釜揚げうどん
タネを作る時に水でなく、だし汁を用いた場合には、カツオブシの残りカスが出ると思いますが、これをよく絞って、 レンジでチンし、すり鉢ですると、立派な粉ガツオになります。 天日で干しても結構です。
兵庫県明石には明石焼きというものがあります。 小麦粉を溶いたものにタコ、イカ、エビなどを入れて焼きまして、それを出し汁につけていただきます。
カリカリに焼いたタコ焼きで作ると、バツグンに旨いです!
東海林さだおさんの『ダンゴの丸かじり』にありました。
06/08/26