しゃぶしゃぶお好きですか? しゃぶしゃぶって作り方も何も、 薄切りの肉を湯の中でヒラヒラさせて食べればそれでよいだけの話ですが、 ちょっとした気遣いでグッと美味しくなるものです。
しゃぶしゃぶをやる際、昆布だしを使う方が多いと思います。 しかし!近頃我が家で流行っているのはカツオ+昆布だしでしゃぶしゃぶをすることです。
ちょうど味噌汁を作る時のように出汁をとり、 それでしゃぶしゃぶするわけです。 出汁に日本酒をドバドバ注ぎ込んでしゃぶしゃぶするものおすすめです。
つけだれには自家製のポン酢や胡麻ダレを使っています。 でも一番おすすめなのは、タイチリを食べるときのように、レモンを絞り込んだ酢醤油にテンコ盛りのネギで食べることです。
もみじおろしや大根おろしも是非用意したいところです。
パンチが欲しい人はニンニクのすりおろしや柚子胡椒を薬味にしてみてください。
豚肉はロース肉やバラ肉の薄切りを使うと間違いないと思います。
かつおだしでしゃぶしゃぶを作るとイイ事があります。 それはシメの雑炊がメチャ旨いという事です。 肉をヒラヒラさせた湯の中には肉の旨みが当然のことにじみ出ているわけですから、 そこにご飯をほりこんで、雑炊を作るとイケてしまうことは自明の理なのです。 ましてそこへカツオダシが加わっているのですから。
今回はしゃぶしゃぶの湯を少し煮詰めて味を濃縮させてからご飯を加え、ナンプラーをたらして調味しました。 ネギを散らして、黒胡椒を振っています。 逆に水気が足りない場合は湯を足してください。
以上、豚しゃぶでした。
これは何をしているところだと思いますか? 「んなもん、牛をしゃぶしゃぶしている図のほかに答えなんてなかろうもん!」と怒られてしまいそうですが、 実はそうではありません。 いや半分あたっていると言ったほうが近いと思います。 実はこれ、すき焼きをしているところなんです。
「何?すき焼きならば、割り下で煮て食べるものでしょう? でもまあいいわ。 すき焼きにしといてあげる。 でも今後の展開、保障してくれるんでしょうね?」と叱られてしまいそうですが、 実はすき焼きでもないんです。
「あっ頭キタ! 責任者出せ!!」とむなぐらを取られそうですが、だって本当の事なんですもの。 ワケを話しますからどうかご勘弁を。
実はこれ、「シャブスキー」を作っているところなのです。 シャブスキーとは何か?それは「美味しんぼ」にでてきた、 「しゃぶしゃぶとすき焼きのいい所取り」をした鍋なのです。 だからどちらでもないのです。 作り方を説明します。
しゃぶしゃぶ、すき焼きともに、日本人が肉食に慣れていない頃の料理で、肉の旨みを引き出す点において決定的に欠ける、とありました。
しゃぶしゃぶは肉の旨みをわざわざ湯の中に捨てている。 すき焼きは甘ったるい味付けで肉の風味を味わえない、と。
そこで登場するのがシャブスキーなのです。 シャブスキーは魯山人風のすき焼きを練り直したものになるのです。
ちなみに魯山人風すき焼きとはどんなものになるのかというと次の通りです。 晩年の、北大路魯山人は、このようにすき焼きを食べたのです。
とこんな感じです。 しゃぶしゃぶに近いところもありますよね。
さてシャブスキーです。 カツオのダシをとりまして、酒を加えて鍋に張ります。 弱火で温め、沸騰しないように気をつけます。
どうしてダシを沸騰させないのかと言うと、ダシが煮えてまずくなるため、そして薄切りの牛肉に柔らかく火を通してレア状態に仕上げるためです。
つけだれは、一升の酒に対し梅干を10個加え、弱火で七合になるぐらいまで煮詰め、そのまま一晩置いたものに、 醤油、ダシを合わせて作ります。 これって煎酒ですね。
肉はしゃぶしゃぶ用の薄切りを用いまして、一枚ずつダシの中に広げ入れ、肉全体が桃色に変わる頃合い、すなわち3、4秒ぐらいで引き上げて食べます。
ネギ、豆腐は鍋に張ったダシの深さに合わせて切り分けます。 池波風と同じですね。
10/03/13