鮨といっても庶民派から超高級店までイロイロとあります。 先日自分ではナカナカ入れないようなお店に連れて行ってもらい、イロイロと食べてみたのですが、 個人的な感想をいうとあまり美味しくありませんでした。 高い店だから旨いというわけではないのです。
よくいく店の親父は酒が入るとこう言います。
「海が近い地域の寿司ってのはネタが新鮮で旨そうな気がするがーんなこたない。 ネタが新鮮だとな、コレがつかんのよ(といいながら、自分の右手を左手でペシペシと叩く)」
じゃあその親父はどうなんだという話にもなりますが、美味しい鮨を握ります。 シャリの大きさとか、口の中でのほどけ具合が好きです。
それじゃあ早速鮨を握ってみたいと思います。
このコンテンツを作るにあたり『すし職人が教える江戸前寿司』を大変参考にさせていただきました。 この場を借りてお礼申し上げます。
鮨を作るならばまずシャリを用意しておかねばどうすることもできません。 すしの命はしゃり、すなわち酢めしにあるのです(すし飯の作り方)。
米はなるべく上等のものを使ったほうがよいのですが、ご飯として美味しい米が必ずしも鮨にしてウマイ米だというわけではありませんので、お米屋さんとかプロに相談したほうがよいかもしれません。
米の選び方の目安としては、よく乾燥していて、粒のそろったものがよいのだとか(古米)。 一方新米は水気を含んでいるため炊き上がりが悪く、粘りが強すぎ、酢めしには適しません。
と、このように米の選び方ひとつにしても、なかなか面倒な話になるのですが、自分で握って食うすしなので、家にある米でもよいのではないか、と思います。 少なくともお米は炊く30分前には研いで おきます。 ヌカが残ると粘りやツヤがでにくいので、力を入れて、とぎ汁が澄むまで徹底的に米を研ぎます。
研いだ米をザルにあけて水切りをしておきます。 30分程度おいておくと、水分が米全体に浸透し、米の表面と芯の水分量が同じぐらいになるのだとか。
ザルにあけておいた米を炊きます。 水の分量はお米の分量と同量が基本らしいのですが、 新米か古米かでも違ってきます。 新米の場合は水を一割控え、古米は一割増にします。 面倒な場合は炊飯器の目盛りをたよりにしてもよいでしょう。 とにかく炊きあがりが柔らかいとどうしようもありませんので、固めに炊けるように調整しておきます。 土鍋で炊いたり したらもっと美味しいお米ができると思います。
※お米を炊くときに酒を少々加えておくと美味しく炊き上がります。 水にこだわるとなおよいです。
炊けたご飯を桶(飯台)の中央にあけて、合わせ酢(すし酢)を一気にかけます。 合わせ酢は米3カップの場合でいうと、酢大さじ4、砂糖大さじ1、塩小さじ1.5、昆布一枚 をあわせて火にかけて混ぜ合わせたものです。 昆布は沸騰寸前に取り除きます。
なお、すし酢を構成するそれぞれの分量は、好みや方向性によっても違ってくると思いますので、イロイロ試してみてください。 ちなみに我が家は子供がいるので酢ひかえめの砂糖多めで作ります。
※桶は木桶を使用したほうが余分な水分を吸い取るのだそうで、ご飯をあける前に濡れフキンで湿らせておきます。
合わせ酢をかけてからしゃもじで全体的にザックリと混ぜ合わせていき、さらにシャリをしゃもじで切るように混ぜ合わせていきます。 切るように混ぜるのは、 ご飯をつぶさず粘りをださないためなのです。
全体的に合わせ酢が行き渡ったようでしたら、シャリの完成となります。 今度はうちわで全体をあおいでシャリを人肌程度まで冷まします。 シャリを軽く返しながら行います。 うちわであおぐのがめんどくさかったら、扇風機を使用してもよいです。 とにかくシャリに風を当てると、ツヤが出てきて粒が綺麗に引き立つのです。
※完成したシャリの上から固く絞ったふきんをかけて乾燥を防ぎます。 すし飯の作り方
まずは手を酢水で少々湿らせておいて、片手でシャリを適量握ります。 もう反対側の手でタネを持ちます。
※酢水は水に酢を少々たらしたものです。
シャリを持っているほうの手の人差し指でわさびを取り、タネの中央に塗りつけます。
握っていたシャリをタネにのせます。
人差し指と親指でシャリの上下の端を軽くつまみます。
人差し指でシャリを軽くおさえます。
若干まとまりかけた寿司を指先のほうへ転がします。
第一関節あたりまで寿司が転がってきたところでストップ。
寿司を転がす前の位置まで戻しながら横っちょを人差し指と親指で押さえます。
寿司を180度回転させて、人差し指で上から軽く押さえながら全体を包み込むように握ります。
はいこれで寿司1貫のできあがり。 大体5秒程度でこの工程を行わないと寿司が乾いてしまうのだとか。 握るコツは、タネとシャリをまとめるというイメージを持つことだそうで、できるだけシャリに 含まれる空気を押し出さないように握ることが重要なのだとか。 手に持ったときに崩れない硬さで、なおかつ口に入れたときにはばらりと崩れるというのが理想なのだとか。
とまあ以上のように、すしの握り方を書いてみましたが、書いている通りに上手くやるには相当な熟練を要するであろうと思われますし、なかなかできるのもではありません。 文章もなんだかよくわからなくなってきましたし。 なので、どうせ自分で食うんだし、左手でタネを持ち、右手でシャリを握り、右手の人差し指でタネにワサビを塗り、シャリをタネにのせて握り、形を整える。 このやりかたでよいかと思われます。
さて握り方も覚えたことだし、早速鮨を握って食いたいと思います。 まずはヒラメ。 右側は縁側です。 おろし方などはヒラメ→
ウチワエビの握りです。 身を冷水で一旦しめてから握りました。
ヒラメを昆布でしめてから握り、おぼろ昆布を散らしました。 身を昆布で挟み込むだけでも美味ですし、博多じめのように手を加えてもよいです。
かつおの握りです。 おろし方は鰹の刺身→。 ショウガと小ネギを乗せています。
湯にサッとくぐらせて、冷水にとります。
薄皮をむいてから握ります。
出世魚として知られる魚です。
シメサバのように短時間〆た後握りました。 薬味にショウガと小ネギを散らしました。
皮付きの切り身にガーゼをかぶせておいてから湯霜にしても美味です。
あなごのおろし方→のようにおろして、檀流のアナゴ丼の タレを作りそれでおろしたアナゴを煮ておいて、さらにその煮汁を煮詰めて煮ツメを作り、ハケで塗りました。
その他タネが手に入り次第、追加していきます。 自分で握ってみると、お寿司屋さんの偉大さがよくわかります。
カツオです。
コハダ。
アナゴ。
ハマチ。
大トロ。
ウニ。
醤油は使う分量だけを小皿に入れます。 タダだからとジャブジャブ使ってはなりません。 もしも残ったら、海苔巻きでぬぐって全部使って綺麗にします。
漢代に江南の米作地帯の開発が進むと、米の発酵も食品保存に利用されるようになりました。 それが肉や魚に塩、米飯を合わせて三か月から一年発酵させた馴れずしです。 膾(なます)、鱠は細かく刻んだ生の肉、魚、もしくはそれを酢に漬したものを指します(鮒寿司)。
日本には稲作の伝来と共に熟れずしがもたらされました。 西日本では酸っぱい事を「スイ」というので、「スイ飯(イイ)」という言葉が「酸飯(スシ)」となり、後に鮨の字が当てられたといわれております。
日本では室町中期になると、生の魚を煎酒につけて食べる刺身や、発酵して酸味を帯びた飯に生っぽい魚を加えた生成(なまなれ)が出現します。
醤油が普及した江戸時代には刺身も鮨も進化して、現在に近い形となりました。 握り寿司は、江戸前(江戸の近海)でとれた新鮮で安い魚を使ったファストフードで、文政年間に領国の華屋与兵衛さんが始めました。
乳酸系の鮨はなれずし等、酢酸系の鮨は酢で飯に味付けした寿司。
07/06/27