某焼肉屋でたらふく食べ、飲み、もうこれ以上何も食えないという状況なのに「シメに冷麺を食べろ」と強要されて仕方なくススリこんだ冷麺ほどツライものはありませんでした。 これまでに最もつらかった冷麺です。
今回作る冷麺は、何と麺も、自家製になります。 前日購入したパスタマシンがあまりにもいい仕事をするものなので、 パスタマシンで麺道楽を参考に、冷麺を打ち始めました。
完成した冷麺は、これまでの数少ない冷麺経験の中でも相当レベルの高いものに仕上がりました(動画)。
自家製つけ麺に使っている製麺所から購入してきた冷麺用の麺がかなりお気に入りです。 つるつるシコシコたまりません。
だけど今回作る自家製麺もそれに匹敵するツルシコ感をもちます。 是非手打ちしてみてください。
そもそもどうして冷麺はあんなりモチモチッと弾力があり喉越しがよいのでしょうか? 家庭であの食感を再現することはできるのでしょうか?
できてしまうのです。 しかもその秘訣は、片栗粉にあります!!!
「!」を3つ連ねてしまうほどのヒケツです。 片栗粉を使ってあの食感を生み出せるのです。
そしたらですね、まずはボールに強力粉(700g)をいれます。 さらに片栗粉(300g)を加え、ザックリと混ぜ合わせます。 強力粉、小麦粉共に、できれば「ふるい」にかけておいたほうがよいものです。
※片栗粉の割合を増やすとツヤ、コシが増します。(それにともない打つ難易度も上がります)
※2ラーメン用の麺を打つならば、こちらをご覧ください→パスタマシンで自家製麺。 上々の中華麺が打てます。
※3強力粉を使う所は手打ちパスタと同じです→手打ちパスタの作り方。
水460g、塩10g、そして重曹5gをかき混ぜてよく溶かしこみます。
※水は軽量カップではなく、重量で正確に測ることが重要です
あとは粉と混合液を混ぜ合わせて十分にもみ込み、パスタマシンに通して麺に仕上げるだけです。
詳しくはこちらをご覧ください→パスタマシンで自家製麺。
パスタマシンについてはこちらをどうぞ→パスタマシン(アトラス:ATL-150)。
ということで冷麺の完成です。 中華麺と違い、寝かせずにすぐ食べることができます。
あえて今回麺の幅を広くしてみました。 よくみると翡翠みたいな色をしている美しい麺です。
※麺の食べごろは完成したその日から3日ぐらいの間まです。 日を置くごとに、麺が翡翠色を帯びてきました。
麺を茹でる際は大鍋にたっぷりと湯を張り、優雅に茹で上げてください。 茹でる時間は麺の状態により変化すると思います。 今回は1分半茹で上げました。
茹でた麺はすぐさま流水でよく洗います。 ジャカジャカ洗ってゆくと、麺が艶を増し、弾力を帯びてくる様を体験することができます。
乳白色に輝く冷麺の茹で上がりです。
※冷麺材料の割合、打ち方はパスタマシンで麺道楽を参考にさせていただきました。 ありがとうございました。
さて、麺が完成したところで冷麺のスープを作りたいと思います。 ていうか、冷麺を打ち終え、茹でる前にスープを完成させておかねばいけませんでした。
大体冷麺というのはページトップの画像のように盛り付けられていることが多いようです。 スープは冷やし中華よりも若干多いぐらいで麺の7割がたは露出しているような風景です。
そしてその麺の上にはカラフルな各種トッピングがまるでレゴを積み上げたかのように乗せられていたりします。 そんな雰囲気で作ってみたいと思います。
今回スープはトリガラベースにしました。 牛乳パックに小分けし、冷凍しておいたものを使っています。 とても便利です。 鶏がらスープのとり方→
トリガラスープを塩、薄口醤油、ごま油、砂糖、酢少々で調味して、 冷蔵庫でよく冷やしておきます。 冷えると味が薄く感じますので、濃い目に味をつけておいたほうがよいです。 ダシをとるのが面倒な場合は冷やし中華のタレでもよいかと思います。
冷麺の上や小脇に焼き豚風の肉が添えられているのが通例のようです。
今回は冷蔵庫の片隅にあった豚バラのチャーシューを添えました。 東海林風や、 邸さん式のチャーシュー、焼き豚というテもありますし、 牛肉でなければならん、というのであれば、コンビーフもよく合うと思います。
冷麺には卵もつきものです。 固ゆで卵や半熟卵、もしくは煮卵でもそえると豪華です→半熟卵の作り方。
薄切りきゅうりの姿も冷麺界隈ではよく見かけます。 単にそのまま薄切りにしたり(きゅうりの切り方)、 板ずりにしたり、塩もみしたり好き勝手に楽しみます。
キムチはほぼ間違いなく冷麺の頂点に鎮座しているようです。 今回たまたま自家製のキムチがありました。 市販品にテンメンジャンやコチュジャン、 もろみなどを加えて好みの味に仕上げるのもオススメです。
茹でてから洗い、よく水気を切った麺を器に盛り、具を並べ、冷たいスープを張れば冷麺のできあがりです。
ちなみに冷麺を広辞苑で調べてみると、次のようにありました。
冷麺
朝鮮料理の一。 そば粉にいも澱粉か小麦粉を加えて製した麺をゆでてからひやし、焼豚、キムチ、野菜などをのせて冷たい汁をかけたもの。
東海林さだおさんは親子丼の丸かじりで冷麺のことをこんな風に書いています。
冷麺をおなか一杯じゃない状態で食べたことってありますか。 ないでしょう。
ツユと麺だけでも食べたい。 上にのってる具がジャマだ。 特に厚切りの豚肉がジャマだ。 豚肉が憎い。 ゆで卵もジャマだ。 あっち行け。
この前の焼肉屋では、まさにこの状態でした。
更新日:23/06/20
公開日:09/11/17