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バリカタ豚骨ラーメン脂多め

ラーメンの作り方:豚骨ラーメン系

ラーメンを愛し続けて早十数年。 食べに行くばかりではなく、 いつかはラーメンを自作したいなと真剣に考え初めてここ数年。 ついに、納得のゆく味と作り方を編み出しました。

ひとくちにラーメンといっても、醤油ラーメンもあれば味噌ラーメンもあります。  塩ラーメンやオイの大好きな豚骨ラーメン、 はたまたこってりあっさり濃厚白濁家系長浜呼び戻し焦がしネギ背脂サバ節宗田節醤油ダレ煮卵チャーシュー動物系・・・・・(少し取り乱してしまいましたことをお詫び申し上げます)。

とにかく、ラーメンは小宇宙です。 決められた型はありませんので、ここはひとつオレ好みのラーメンを作って遊んでみます。

ゲンコツ

ゲンコツ

さて先は長いので張り切ってまいりましょう!

まずはお肉屋さんから豚の大腿骨、通称「ゲンコツ」を買ってきます。

そしてゲンコツの中ほどを、金づちを使って叩き割っておきます。

こうすることで、エキスがにじみ出やすくなるのです。 真の味は骨に染み込んでいるものですからね!

※豚の大腿骨をなんでゲンコツと呼ぶのかというと、骨の関節にあたる部分の形や大きさが、拳に似ているからです。   叩き割ったスキマから見える骨髄、これが重要です。 ちなみに今回3kgのゲンコツを購入してきました。


下茹で

下茹で

叩き割ったゲンコツにヨゴレや血がついていたら取り除き、まずは下茹でをします。

大鍋に並々と水を張り、そこへゲンコツを放り込んでから点火します。 40分間グラグラ煮込みましょう。  その後ゲンコツだけを取り出して、煮た湯は全部捨ててしまいます。

なんか、大事なエキスまで捨てちゃっているような気もしますが大丈夫です! この程度煮たぐらいでは、 骨に染み込んでいるウマミは出てきません。 この作業は、スープのクセを取り除く為の大事な作業なのです。

※ゲンコツを煮る前にあらかじめオーブンで50分ぐらい焼いておくという手法もあります。  煮る際はやはり寸胴鍋を使ったほうが楽です。


本茹で

豚骨スープ抽出

下処理を済ませたゲンコツを大鍋に入れて、並々と水を張り、点火します。 そして気長に、コトコト煮込み続けていくワケです。

今回8時間じっくり煮込みました。 ゲンコツと一緒に煮たものは、


  • リンゴ
  • タマネギ
  • ネギ
  • ニンニク
  • ショウガ

の面々です。 リンゴとタマネギは皮付きのまま丸ごと煮込んでます。 スープに野菜を加えることで、 自然な甘みを醸し出し、なおかつ肉の臭みを取り除きます。

この際加える調味料関係は、

  • 薄口醤油
  • 黒胡椒
  • 月桂樹

です。 いずれも味をつけるためでなく、あくまでもまじない程度に、自分が気の済む程度加えます。


チャーシュー

チャーシュの準備

ラーメンといえばチャーシューです必須です! トンコツスープを抽出するついでに、チャーシューも大鍋に放り込んで茹でときます →チャーシューの作り方

今回は豚バラブロックをタコ糸でしばって使いますが、豚のモモ肉でもカタ肉だってなんでもお好みでどうぞ。

チャーシューがトロリと柔らかいものがお好きな方は3時間、ある程度固く歯ごたえのあるチャーシューがお好きな方は1時間程度煮込んでから取り出します。


漬け込む

お好みの固さに煮上げたチャーシューはスープから取り出して、醤油漬けにしておきます。 東海林風チャーシューの要領です。

漬ける時間もお好みでして、今回3時間漬けました。 ちなみに漬けた後の醤油は捨ててはなりません。  豚肉に醤油が染み込んだということは、醤油には豚のエキスがにじみ出ているということですから、野菜炒めに使ったり、手羽先を煮込んだりと活用範囲は無限大なわけです。  いっそ、本ラーメンの醤油ダレとして活用してもよいワケですし。

角煮の乗ったラーメンというモノのありますし、チャーシューを浸すタレもお好みでどうぞ。 いっそ茹でるだけで、味をつけなくても旨いですし。


あくとり

チャーシューを取り出した後も引き続きゲンコツを煮続けていきますが、忘れてはならないのがアク取りです。  はじめて作る方は目をむく程のアクが出ますので、こまめにすくい取りながら、コトコトとフタをせず煮ていきます。

煮ていくうち次第に水かさが減っていくでしょう。 それにともないスープは白みを帯びてくるワケですが、

超濃厚ド豚骨ラーメンがお好きならば、水を足さず、スープがトロトロになるまで煮込みます。

あまり激しいのはちょっと・・・。 という方は、減ったぶんの水を足しながら、煮てまいります。 たまに味見をしたりしながら、気長に煮込みます。

豚骨は、煮続けるにしたがいボロボロ崩れていき、鍋底にこびりついて焦げ付くようになるために、煮る際は絶えず底からザックリと混ぜ返すための棒が必要です。  万が一焦げ付いてしまった時は、もうオシマイです・・・これまでの苦労がムダになります


鶏がらスープ

鶏がらスープ

オイ流豚骨ラーメンのコツとしては、ゲンコツと鶏ガラは分けて煮ていきます。  大鍋に鶏がらを3羽分叩き割って放り込み、コトコト弱火で3時間ばかり煮ていきます → 鶏がらスープの抽出法

「あーメンドクサイ、ゲンコツと一緒に鶏ガラも煮込めばイイじゃない」

なんて思われる方もいらっしゃるかと思いますけど、これには深い理由があります。

ラーメンはコッテリが好きな人もいれば、アッサリが好きな人もおります。 その双方のニーズに対応すべく開発したのがこの、豚鶏スープ分割抽出法なのです。

トンコツスープと鶏がらスープを別々に抽出しておいて、ラーメンを食べてもらう人に注文をとります。 「コッテリ?アッサリ?」 コッテリと言われたら、 トンコツスープ8に鶏がらスープ2の割合で丼にスープを注ぎます。 アッサリの場合はその逆です。 どうでしょう、なかなか良い方法だと思いませんか。

※ラーメンのウマミは鶏豚双方のスープが合わさり醸し出されるものですから、必ず少しだけでも一方のスープを一方に混ぜたいところです。


アクをとる

もちろん、鶏がらスープを抽出する際にも、アクをこまめに取り除きましょう

パンチのある鶏スープを抽出したい場合は、丸鶏の中抜きを骨ごと叩き切ったものでダシをとります→鶏のさばき方

骨だけでなく肉が入ると、スープに厚みが出ますからね。


醤油だれ完成

醤油ダレ

スープと同様ラーメン作りに欠かせないのが醤油ダレです。 オイはラーメン以外にも日頃調理に活用しております →醤油ダレ

たとえばトンコツラーメンでなく、澄んだスープの塩ラーメンを作る場合は、 醤油の量を減らす、もしくは醤油を入れずに塩だけで作ると良いです。 しょっつるナンプラーを隠し味として少し追加するのもオススメです。


醤油だれ完成

香味油

好みにもよりますが、香味油をたらすと風味が良くなります。 醤油ダレと一緒にどんぶりに注いでおいたり、出来上がったラーメンの上から回しかけたりします。

ネギ油でも代用できますが、こだわるならば長ネギの青い部分、 小ネギの根っこの白い部分や、ショウガニンニクをラードに入れて30分ぐらい弱火にかけて香りを移します。

その後火を止めて、鰹節をドッサリ投入し、しばらく置いてからこします。


半熟煮たまご

半熟煮たまご

ラーメンのトッピングに、煮タマゴがチョンと乗ってれば興奮します → 煮タマゴの作り方

茹でる前に、図のようにタマゴの頭に針で穴を空けておくと、殻がむきやすくなります。


半熟煮たまごを漬ける

今回煮卵をつけこむタレは、上でチャーシューを漬け込んでおいた醤油を使っています。 豚のエキスがたっぷりと染み出ていますから、きっと旨い煮卵になるでしょう。


メン

今回、残念ながら上等の生麺を仕入れる事ができなかったので、即席ストレート麺を用います。  片っ端からデパート、スーパーの麺売り場を回り買い込んで、食べてみた結果、一番美味しかったのは、このアベックラーメンという乾燥麺でした。

細いストレート麺で、よくある茹で揚がりの嫌な臭いがなく好評でした。 安くもありますし。 ともあれ、麺はお好みに合わせて選びましょう!

※近頃もっぱら麺は自作しています。


湯

ラーメン作り

まず麺を茹ではじめる前に、丼に熱い湯を注いで、よく温めておきます。 この作業は省いてしまいがちなのですが、 火力の弱い家庭での自作ラーメンだからこそ、必須の作業だといえます。 決して省かないで下さい。

麺を、大量の湯を使い茹でる事は当たり前ですが、さておき湯きりは徹底的に行いましょう。  もう嫌っちゅう程ザルを振り、一滴の水もしたたり落ちないぐらいに水切りを行います。

「麺の固さはどうなさいますか?」なんて一応ラーメン屋さんのマネをしながら、尋ねられた方は憮然とした態度で「ややカタ」なんて目を合わせずに答えるのが雰囲気です。


醤油ダレを注ぐ

麺の茹で上がりが近い頃、丼の中の湯を捨ててよく水を切り、醤油ダレを注ぎ入れます。 注ぐ分量を気にしなくとも、味が薄けりゃ後から足せば良いだけですから大丈夫です。  あくまでも入れすぎにはご注意くださいね、塩辛くてたまったもんじゃなくなりますので。


スープ投入

醤油ダレを注いだ丼に、グラグラで、アツアツのスープを注ぎ入れます。 骨のカケラや不純物が入らないよう、ザルを当てつつ注ぎます。  その瞬間、素晴らしい、まるでここはラーメン屋なのではなかろうか、という香気に包まれるでしょう。 上でも書きましたが、鶏と豚のスープの割合をここで調整します。

※今回のスープには、昆布や鰹節などの魚介系のものは一切入れておりません。 なぜかというと、醤油ダレを作る際に充分入れてあるからです。


メンをほぐす

ラーメン完成

丼の中の熱いスープの中へ、水切りをした麺を入れ、もつれを箸で素早く丁寧にいなします。 プロ的に、堂々としながらもやや客目線を気にしながら行うのが雰囲気です。


あア、うまい豚骨スープ

麺とスープをなじませたら、九条ネギを散らしたり、煮たまごやチャーシュをブ厚く切って盛り付けます。

この作業をチンタラ行ってはなりません。 一刻も早く食卓に出さないと、せっかくのアツアツが冷め冷めノビヌルラーメンになってしまいます。

ですからトッピング類は、あらかじめ使いやすいよう配置しておかねばなりません。 伊丹十三の名作「たんぽぽ(ラーメン作りの前に是非ご一読を!)」でも、 出されたばかりのラーメンのスープは、レンゲですくっても熱くて飲めないぐらいが望ましいと言っていましたし。

さてこのようにして自家製豚骨ラーメンが、ついに完成したのです。 大きな海苔をズラリ並べてみたり、長浜ラーメン本店のように麺固めの脂多目「ベタカタ」で食べてみたり、 死ぬほど替え玉してみたりしと、あなたはもはや自由なのです!

※ちなみに今回のトンコツラーメンの感想としては上々でした。 化学調味料は一切使わず作るのが信条でして、仮に今回のものにドッサリ加えたならば、 並の店では太刀打ちできないレベルのものに仕上がります。


以下自作ラーメンバリエーションをご紹介します。


干し貝柱

トリガララーメン

名の通り、豚骨を使わず仕込みます。 豚骨スープはどうもコッテリしすぎている、という妻の意見を取り入れました。

スープは鶏がらのみで抽出し、あえてフタをしてグラグラ煮立たせ、白濁させました。 一見、普通の豚骨ラーメンのようにも見えます。

醤油ダレには今回干し貝柱を加えています。 東海林さだおさんによると、 貝柱パウダーは大抵のプロが使用してますが、他言しないというウワサがあるそうなので、どのようなラーメンを作るときにも追加したほうがよさそうですね。 実際旨味が大幅に上がりました。


トリガララーメン

チャーシューは東海林風で、九条ネギを刻みこんでいます。 スープを一口ススルと、トリガラスープだけで作ったラーメンとは思えぬコクがあります。  なんちゅうかこう、アッサリ風豚骨ラーメンといった感じです。


懐かしラーメン

懐かしラーメン

おなじく東海林さだおさんの『うなぎの丸かじり』を読んでいたら、デパートの屋上のラーメンについて書かれたくだりがありました。

醤油味のあっさりラーメンで、昔から「これこれ!」と思わず言ってしまう懐かしいラーメン。

このスープはトリガラだな、豚骨もブレンドしてあるな、しかも魚介系スープも加えてあるWスープのラーメンだな!

というように詮索しようもないごく普通のラーメン。 激ウマではないが激マズでもない旨からずマズからずのラーメン。 大体このような記述でした。

具はワカメ、メンマ、ノリ、ナルト、チャーシュで、トリガラスープを煮立たせず、下茹でをキッチリと行い澄んだスープに仕上げました。 チャーシューは豚の肩肉を使用してます。  しみじみと美味しい醤油ラーメンに仕上がりました。

東海林さんはこう言います。

こういうラーメンを食べていると、いま巷で流行っているラーメンて、あれはラーメンじゃないな、とつくづく思う。

おっしゃる通りかもしれません。


家系ラーメン

家系ラーメン

近頃よく仕込むのが、吉村家さんを意識して作る横浜豚骨醤油風ラーメンです。 ポイントとしては以下の通りとなります。

  • いつもよりも若干太めの麺を選ぶ。
  • チャーシューを豚肩、もしくはモモ肉で作る。
  • 醤油だれ塩を控え、醤油を多めに投入。 煮詰めて濃縮せずに、一杯に使用する醤油ダレの分量をいつもの倍程度にする。
  • 海苔は全型の1/4サイズのもの(海苔のサイズについては太巻き参照)を大量に用意しておく。
  • ほうれん草を塩少々を加えた湯でサッと茹でておき、多めに用意しておく。
  • 仕上げにネギ油をたらして風味付けを行う。

という所です。

吉村家では大抵「油多めの味濃いめ」を食べますが、結構近い味が作れたと思います。  今回スープは豚骨のみを煮て作りましたが、トリガラを加えるのも当然構いませんし、実際本家がそう作ります。

海苔を多めに用意しているのは濃い醤油風味によく合うからであり又、スープ自体は飲み干せないほどかなり濃い目で調合しているため、箸休めとして海苔とホウレン草は必須なのです。

仕上げにたらしこむネギ油の分量も「うそっ!」というほど大量に使うとプロ風の質感、風味がでます。  油を入れれば入れるほど、醤油味が薄く感じるので必然的に醤油ダレの分量は増え、スープが醤油色に染まります(まとめました→家系風ラーメン)。


以上自作豚骨ラーメンでした、長い時間お付き合いいただき、誠にありがとうございました! まだこの先色んななラーメンに挑んでみたいと考えておりますので、 一応「続く」という事にして筆を置きます。


ぷちぐる内その他ラーメン


よくある質問

みなさんからよくいただく質問をまとめてみました。 その他ご不明な点がありましたらどうぞお気軽にご一報ください。


Q:ゲンコツ煮てみたけど白濁しなくてスープって感じじゃないけど?

A:もう少し気長に煮てみてください。 火力も重要で、グラグラ強火で煮込まないと骨からズイが出てきません。 もちろん煮る前にゲンコツは割っておきます。 好みのスープが抽出できて、 いざラーメンを作ろう!とする際も、スープは強火にかけておかないとアブラが分離してきます。


Q:スープの作り置きできます?

A:ある程度できます。 スープをこして、毎日火を入れると、2、3日はいけます。 それ以上置くと、なんだかヒネた味になってきます。  もしも冷蔵冷凍庫に寸胴ごと入れることができる環境があれば、もっと持ちます。


Q:各分量は?

A:適当です。 ゲンコツを用意したいだけ用意し、水を注ぎ足しながら煮て、好みのトロミ、味の濃度になったところで完成ですので気にする事はありません。 なじみのラーメン屋に入っても、 日によって「あれ今日ちょっといつもよりスープ薄めだな」とかありますよね。 それです。


Q:鍋のサイズは?

A:ラーメン専用の寸胴鍋を愛用しています→寸胴鍋


Q:材料費はいくら?

A:20人前で5000円ぐらいでしょうか。 ゲンコツ等骨系に3,000円、チャーシューに1,000円、麺に800円、ネギに200円です。


Q:鶏がらラーメンはどうやるの?

A:こういう作り方もあります。 醤油だれを入れても入れなくても、目についた乾物を適当に放り込んでみても、かならず美味しくなりますので試してみてください。


Q:ラーメン屋だったの?

A:いいえ。 若い頃ラーメンにどっぷりハマっており、食べ歩いてはどうやって作ってんだろうと思いめぐらしたのです。


Q:ちょっとこっち来て家系実際に作ってみてよ。

A:これまで二度ありましたね実演した事。 タイミング合えば伺います。


ラーメンのツボ

  • チャーシューは切る前に表面を炙ると香ばしくなります。
  • 化学調味料は一切無しで作りましたが、充分すぎるぐらい美味しくできます。
  • 今回およそ40杯分の豚骨ラーメンができました。
  • 豚骨ラーメンの起源として有力なのが、久留米市にある1937年創業の『南京千両』です。  豚骨ラーメンの特徴である白濁したスープは長崎ちゃんぽん の影響だという説もあるらしいとのこと。
  • ラーメン有名店の店内は色んな意味で暗いと東海林さだおさんは書いておられます。 さらに高いと。
  • 昆布のグルタミン酸、鰹節のイノシン酸、干しシイタケのグアニル酸が合わさると、旨味が10倍以上に膨らむのだとか。
  • トンコツ、鶏がらは骨から旨味がでるのではなく、骨組織の中心部を形成している骨髄が重要な役割をはたしている。
  • ラーメンという言葉の由来は、柳麺(リュウミエン)からきた、また拉麺(ラミエン)からきたという説があるらしい。
  • 山本益博によるうまいラーメン屋の見分け方。 1、ビルに入っていない店。 2、表にサンプルがない店。 3、夫婦等、家族でやっている店。 4、店主がひとりできりもりできる小体な店。  5、清潔感ただよう店。

おさらい

豚骨を抽出し、独自の醤油ダレでススル。

06/12/27



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