「いもぼう」ってなんのこっちゃ。 と思っていたところ京都の名物料理でした。
棒ダラとエビイモを出汁でコトコト煮込んだ料理です。
1、今回は開きになっている干だらを用います。 一度ゆでこぼして、一晩水につけておくだけで十分戻ります。
棒だらを使う場合は、前の晩にカナヅチでよくたたいてから、米のトギ汁と一緒に煮て、そのまま煮びたしにしておきます。 翌日戻っていればそのまま使いますが、もどっていない場合は水につけておいたり、太陽にあててみたりします。
2、戻した干しダラを裂いて、ほぐします。
この際粉々にほぐすのではなく、太いものや細かいものが入り混じっているほうがおいしいと檀さんは言います。
皮がある場合は捨てずにハサミで細かく切るとよいそうです。
3、本式にはエビイモを使うそうですが、今回はセレベスイモを用います。
皮をむいて、酢をたらした湯で箸が通るまで煮ます。
4、ほぐした棒ダラと、煮たイモを一緒に煮込みます。 煮込み汁は出汁、 醤油、酒(もしくはみりん)、 砂糖をあわせたもので、各割合はおでんのつもりで調合するとよいそうです。 いくらか砂糖の甘みをきかせたほうがイモボウに関してはよいかもしれないと檀さんは言います。
5、あとはことことトロ火でじっくり煮込めばいもぼうのできあがりとなります。
以上いも棒でした。 トロトロ柔らかくなったセレベスイモにダシがよくしみこんでいて酒の肴、ご飯のおかずにと活躍しました。
これまでにお店でいも棒を食べたことも見たこともありませんが、京都の丸山公園のイモ棒といえば、京都に案内されると一度は味わわされるもののひとつになるのだそうです。
そこで「丸山公園のイモ棒」をイロイロ調べてみたところ、平野屋というお店が有名だということがわかりました。(檀流クッキングには丸山公園と記述がありますが、 どうやら正式には円山公園のようです)
東海林さだおの「ケーキの丸かじり」に「いもぼう初体験」というお題があり、 その中で平野家のことが書かれてありますので引用しておきます。
平野屋は円山公園の中にあり、ちょうど上野公園の中にある茶屋をうんと大きくしたような造りの店だ。
天井にはズラリと赤い提灯。 赤い傘に緋毛氈。 給仕の女性は全員小豆色の着物姿。 履き物は下駄。 カラコロと下駄の音が賑やかだ。
座敷から見える庭には石灯籠。 咲き残りの椿の花。 椿の花にはメジロが来る。
いもぼうの「お献立」は二千四百円から五千円まで五段階あり、そのまん中の「花御膳」三千円をたのんだ。
もちろんタラとイモで三千円取るわけではない。 イモとタラのほかに豆腐吉野葛あんかけやトロロ海苔巻き、湯葉など。 そのほか二品と吸いものとゴハンがつく。
いもぼう本体はどんなものか。
かなり大きめの卵大のエビイモが二個。 トンカツ一切れ大の棒ダラが二切れ。 以上。 いただきてみましょう。
エビイモは里芋と八つ頭の中間の食感でどちらかというとハつ頭に近い。 極めて上質の味のついた粘土のようで、ニュルニュルと歯に食い込む。
大きな芋なのに、きちんと芯のところまで均質に味がしみこんでいる。 崩れるべきものが崩れていくという食感である。
「カツオや昆布などのダシで三十時間かけて炊きあげ」とあるから、三十時間賃というものもむろん値段に含まれる。 味は意外に甘い。 イケベ大記者も、「京都料理にしては甘みが勝っているな」 と仰せられていた。
棒ダラのほうはどうか。 こっちの味は極めて薄い。 その分だけ棒ダラの味がよくわかる。 きちんと一回干して、それをきちんともどした味がする。 入り組んでつながってゴワゴワしていたタラの繊維が、 噛みしめるごとにほぐれてきて、干してもどしたタラの味になっていく過程を味わう。
※緋毛氈 = 畳大の大きさに揃えられた赤い毛氈。 茶道の茶席や寺院の廊下などに、和風カーペットとして用いられている。 (ウィキペディアより)
サトイモを煮る際、下湯でしてぬめりをのぞく方法が一般的ですが、地方によってはいきなり煮ることも少なくありません。
ぬめりの正体は、ガラクタンなどの糖が、たんぱく質と結合したものだといわれています。 下茹でする場合、皮をむいたイモを酢やみょうばんを使って茹でたりします。 下茹でするかしないかは、その時々の調理法によって違ってきます。
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