東坡肉は美味しく楽しんでおられるかと思いますが、今回は、その東坡肉に、セレベスイモを挟んで蒸し上げます。 この料理は、 邱 永漢さんが、よくもてなしてくれる料理だそうで、おそらく広東料理だと檀さんはおっしゃっています。
「東坡肉を作りたいんだけど、ちょっとこの人数では豚肉が足りないし・・・。」というように、 東坡肉だけではとてもまかないきれない頭数のときは最適であります。 それでは料理開始。
1、セベレスイモを用意。 里芋の少し大きめのものといったかんじです。 ヤツガシラでも可。
2、セレベスイモの皮をむき、水煮してザルにあげておきます。
3、そして東坡肉の作り方で、豚の脂身をラードで焼いて、キャラメル色を作るところまで作業します。
4、水煮したセレベスイモを3,4等分して、その間に脂身を焼いた豚肉をスライスしたものを挟み込んでいきます。 そして器に入れ、豚肉を漬け込んだ醤油やモロミをふりかけて蒸し上げると完成。
以上イモの豚肉はさみ蒸しでした。 セレベスイモのホクホクさとジューシー豚肉が相まって、大変よいご飯のおかずとなりました。 セレベスイモ? 聞いたこともないイモだったので、市場に売ってあるのか心配でしたが、なになんてことない。 里芋の一種でした。
我が家で東坡肉と言えば、いまや常備食の域にまで達しており、 肉が少なくなると足して、汁が少なくなると醤油や酒を足して時には煮汁で高菜を炒め、時には煮汁で手羽先を煮る。 というふうに毎日蒸し続けているうちに、 もはや「一から作った東坡肉の汁はどうも味気なくってイケネエな。」なんてことを口走るようになりました。
イモの豚肉はさみ蒸しを作る際のポイントとしては、イモに豚肉を挟んで蒸し上げるときではないでしょうか。 「サンドイッチ状にしたのはイイんだけど、これどうやって蒸す? だってバラバラになるでしょう?」 と一瞬悩んだのですが、オイ流としては、盛り皿に並べておいて、 そして上から汁をかけ、汁まわりの良いように上からキッチンペーパーを被せて、蒸し器で蒸し上げたわけです。 というか、これならば東坡肉を作る際にセレベスイモの皮をむいて 丸のままほうり込んでおき、じっくり蒸し上げて、それから盛り付ける際に冷まして豚肉とイモを切ってはさんで食卓にあげるほうが能率的? なんて考えました。 ちなみに豚肉はよく冷ましてからでないと、薄く切れないので要注意。 オイの場合はあえて厚切りにしてありますが。
サトイモの原産地はインド、ネパール、マレー半島付近であると考えられる。 サトイモ(里芋)とは、里で作っている、すなわち人の手がかかっているという意味で、 ヤマイモ(山芋)にたいする言葉である。
邱 永漢さんのオハコ料理であり、安岡章太郎氏も推奨しているという料理が「紅焼芋頭扣肉」です。
おそらくこれが、イモの豚肉はさみ蒸しの原型だと思われます。 以下、『邸飯店のメニュー』からそのくだりを記します。
街の料理屋では絶対に食えないもの、たとえば薄く切った大和芋にブタのアブラ身をはさんで、特殊の香料と何種類かのソースをとりかえながら何十時間も煮こんだというような手数のかかる料理が出る。
ブタは完全に溶けて、クリーム・チーズ状になった芋に滲みこみ、口にふくむと軽い歯ごたえがあって、香りがいっぱいに広がり、舌全体を包むように柔らかく溶けて行くときのウマさは、何ともたとえようがない (安岡章太郎)。
次は邱さんによる紅焼芋頭扣肉の作り方です。
紅腐乳がなければ八丁味噌を使い、陳皮がなければミカンか、柚子の皮で代用可能だそうです。
Instagramはじめました! ぜひフォローお願い致します。
© 2005-2018 ぷちぐる.